前回の記録(眼鏡の伴侶..?)は、
まっすぐな気持ちに変わりはないものの
少し文章を他所向きに
整えすぎたかもしれない。
今日は、その日の出来事をなぞりながら
もう少しだけ、温度感をのせて書いていく。
プロポーズをしてもらった。
場所は、彼の部屋で。
彼との交際が長くなるにつれて、
いや、いわゆる結婚適齢期になったからか
どんな風にプロポーズされたいか、なんて
女子会ではそういった話題が増えた。
私自身、“夢みる少女”な性格ではないので
よくある夜景のみえるレストランや
綺麗なホテルの一室などでのプロポーズは
いまいちピンときていなかった。
もちろんそれは、嫌だとか
無理だとか、そういう意味ではなく
ただただ、その空間でプロポーズされる
自分が想像できなかったし、
だからこそ、その空間に
憧れがあるわけでもなかった。
どんなプロポーズが理想なのか
考えてみたもののアイデアは思い浮かばず...
流れるままにシンプルに。
自分の誕生日といったような
イベントにかこつけた(?)旅行先の
ホテルでされたりするのかな、なんて。
あり得そうなシーンを
漠然と想像してみるだけだった。
(欲を言えば、ちょっと変な
プロポーズがよかったり..
あ、これをもしかして理想と呼ぶ?)
┈┈┈
元々彼からは1年以内に
プロポーズする..!と
そんな宣言は受けていた。
(あとから思い返せば、
ちょうど1年ほど前だ..)
GWは旅行先や過ごし方が
直前まで全く定まらず、
完全にノーマークだった。
結局、ちょっといいホテルに
宿泊することになり..
とはいえプロポーズの
プの字も頭になく当日を迎えた。
だって、一緒に宿やら
スケジュールを決めたから..
特に何もなく普通に過ごし、
2日目は彼の家で
ゆっくりすることになった。
渋谷で行きたかった展示に
着いて来てもらい、
大好物のハンバーガーも食べて。
どこもかしこも人だらけなので、
夜は、お家で食べようと決めていた。
ちょっといいホテルに行くからと
履き慣れない下ろしたてのパンプスが
あまりにも痛くて、
帰って速攻部屋着を借りた。
夜ご飯は彼のリクエストで
カルパッチョやらパスタなど。
「パスタと決めていたから、
あの時のスパークリング
買っておいたんだ〜」
と、あまりにも
私の「食」における人権
(食人権とでも言おうか)が
剥奪されているけれど、
彼らしいので、あまり違和感もなく。
ヒップホップを流して、
2人踊りながらキッチンで料理した。
ご飯が出来上がり、
キンキンに冷やしたスパークリングを
よし、冷蔵庫から出すぞ..!
と、その時にチャイムが鳴った。
彼も人間。生活をしているので
荷物のひとつやふたつ、そりゃ届く。
リビングでひとり静かに
配達員さんに対応する彼が
戻るのを待った。
まだかな、とすら思わず
ぼーっとしていると...
┈┈┈┈
大きな花束を抱えた彼が
部屋に入ってきた。
想定外の出来事で
脳の処理が追いついていない。
ポカンと呆気に取られていると
彼がどぎまぎしながら、
その場で浮かんだであろう言葉をくれた。
今思えば、その計画性のなさだったり
彼の顔から伺える緊張と不安と
謎の自信とが入り乱れた表情。
その全てが逆にリアルでとてもいい。
私は、言葉をもらっても
全く理解が追いつかず。
「わかんない!わかんない!」と
連呼していたそう。
だって、急で
意味がわからなかったから。
YESだのNOだの、
あまりにも返事をしない私に
彼は不安そうな顔をして
何度も確認をしてきて
最後は、ほぼ誘導尋問だった。
プロポーズの言葉って
1回だけだよね。
8回くらい言ってくれてた。うける。
そのあと、
「このひと、プロポーズしてくれたんだ」
「このひとと生きていくのか〜..」
とじんわりと実感が湧き
そこで、ようやく理解ができた。
そして彼に
「こんな部屋着なのに!!!!!!!」
と叫んだ。
文句ではなく、嬉しさの裏返しで。
そのあとは、買いたての
ワイングラスで乾杯。
今思えば、帰る前やたらと
「グラス買おうよ〜」と言ってきたのは、
そういう記念品だったのね、と
彼が愛おしくてたまらない。
お酒を飲んで陽気になった彼が、
加山雄三のお嫁においでを
歌って踊ってくれたり、
ギターを出してきて弾いたりしていた。
そして私は
「この人めちゃくちゃご機嫌やな」と
思いながら、その瞬間を噛み締めていた。
今でも、ついさっきの出来事みたいに
独特の空気感を感じて
ふふっとにやついたり、
ぽろぽろと泣いたりしている。
ぼろぼろのメイクと髪型と、
彼に借りた部屋着だったけれど、
何回も思い出す大切な思い出。
┈┈┈
ここで、冒頭の話に戻るけれど、
私にとって理想的なプロポーズだった。
紛れもなく、100点満点。
いまのところ、死に際の
走馬灯で1番長く上映(?)してほしい
思い出に認定しちゃう。
わたしの脳みそへ、
その時は頼みました。
あたたかくて、
大切なほんとうのきもち。
zero .
穏やかな記録 。
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