香木 / 紅茶とマドレーヌ



最近、気になっていた
香木(パロサント)を買いに行った。


ほんとうに何にも浸してないの?と
疑ってしまうくらい香りが強い。


そのまま部屋に置いておいてもいいし、
火をつけて焚いてもいいらしい。


優しいのに、濃厚で、重いけど苦しくない。
自然の力をまじまじと見せつけられた。



でもそうか香水って元々はお花とか
こういう自然のものから香りを抽出して
調合して作られているんだもんね。



いい香りの香水はたくさんあるけれど、
普段手にしているものは
良くも悪くも人工的で。


別に自然派思考でもなんでもないのだけど、

個で勝負するパロサント、強い。










調香師になる夢をもった友人がいる。
 

彼は、ずっと香りに敏感で会うたびに

「今日の香水、ここのでしょ」とか
「今日のはどこの?」と聞いてくる。


いわゆる男の子受けしないような
香水をつけていても褒めてくれるので、
悪い気はしないのだけども。( 少し厄介 )



ある日、ご飯に行ったときに
いつも通り香水の話題になった。


プルースト効果について話したら
教えてくれたのが、このはなし。


そもそもプルースト効果って
何かの香りに起因して、
ある瞬間や記憶を思い出すあれ。



プルースト効果のプルーストは
科学者でも医者でもなんでもなくて、
小説家らしい。ちょっぴり意外。


何かをきっかけに、ふと小さい頃に
マドレーヌを紅茶に浸した瞬間を思いだす。

、、描写を小説内でしたのかな。
(少し曖昧)


こういう風に、香りと過去の記憶が
結びついて、思い出を呼び起こす
この事象に人々が共感し、
プルースト効果と名付けられたのだそう。



こうやって言葉では表せない感覚や概念に
名前がつけられて表現の幅が広がっていくのすごくいいね。


何より、このエピソードが素敵。


紅茶に?マドレーヌを浸す?

そんな記憶とそれを思い出す瞬間を
わたしも体験したい。


プルーストという名前の
マドレーヌ屋さん開いてやろうかな。


いつもふざけてばかりの友人だけど、
たまにはいい話をしてくれるじゃないの・・・!


と、思った夜なのでした。


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zero .

穏やかな記録 。